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2019.08.25 Sunday

長谷川龍生先生

 

詩人の長谷川龍生先生が亡くなりました。

2019年8月20日。享年91歳。大正のお生まれでした。

 

今はもうない東中野の日本文学学校で、わたしは20代のころ2年ほど詩と小説を学びました。

母、西沢杏子もこの学校で学んだことがあり、先生方が素晴らしいと言っていたからです。

 

わたしが入学したときは、小説は塩見先生と山田先生のおふたりが担当しておられ、

詩のクラスを持っておられたのが、長谷川先生でした。

 

切れ長の目をときに鋭く、ときにいたずらっぽく光らせて、いろいろなお話をして下さったのを覚えています。

 

アメリカをグレイハウンドバスに乗って旅されたときのこと。

この世のすべてはフラクタルであるということ。

自分は猿田彦の生まれ変わりであるということ。

などなど。

 

先生の知り合いの方の山荘でクラス合宿をし、草野心平記念館に連れて行っていただいたこと。

突然「シフォンケーキというものを焼いてみました」と教室にケーキを持ってこられ、クラスのみんなで

よろこんでぱくついたこともありました。

講義は生徒が順番に作品を発表し、全員で講評する形式。先生からも毎回コメントがもらえました。

ぜいたくなことだったと思います。当時の作品は『詩歌句集 雨が刺さりそうだ』にも何篇か収録しました。

 

今思えばくだらない理由で学校を離れ、いつでも戻れるつもりでいたのが若気の至り。

気がつくと長い間のご無沙汰となっていました。

 

今年久しぶりに出した賀状に返しを下さり、先生が傍らに置いているというハラリの著書を読み始め

『サピエンス全史』上下を終えて『ホモ・デウス』上巻に入ったところで訃報に接しました。

 

先生のことを考えるとき、先生はいつも、バスの埃っぽい座席に座り、窓から外を眺めておられます。

足元には黒い大きなくたくたのナイロンバッグ、頭には黒い野球帽、窓ガラスは一面光っています。

 

それはわたしが見たことのない光景なのですが、これから先もずっと、見続けていく光景です。

 

 

 

 

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