2020.02.16 Sunday

『ルネ・シャール詩集 評伝を添えて』を読みました

 

 

「たえずおのれの糞便より先をすすんでいるような、そういう人間が存在する」 (『眠りの神の手帖(抄)』)

 

 

……そういう人間の存在を感知する詩人とはどういう人間なのか?

 

はげしく興味をそそられて、『ルネ・シャール詩集 評伝を添えて』を手に取りました。

 

 

 

表紙が白いので雪山のライチョウのよう

 

20世紀フランス語圏を代表する詩人の代表作、40余篇を集めた訳詩集。

自らも詩人である訳著者による「評伝ルネ・シャール」が全体の3分の1くらいを占めています。

 

初読み時は、パウル・ツェランがマッチョになったらこんな詩を書くかも、という印象。

詩集『兵器庫』の「美しい建物と予感」「瓜二つ」、詩集『ひとりとどまる』の「籠職人の恋人」がよかったです。

あとで評伝を読んだらツェランの名前もシャールの詩に関係した詩人として出てきてました。

『ムーラン・ブルミエ』の「ともにあること 供廚傍者だった亡姉を思いました。

 

断章めいた短い詩もとても目を引きます。

 

ことに、対ナチスレジスタンス活動の合間に書き留めた詩篇を集めている『眠りの神の手帖』は秀逸。

苛烈な現実と闘いながらその状況を詩の表現に昇華し、綴り続けたシャールの姿勢に打たれます。

 

「詩人はどんな極端なものでも受け入れられるので、苦しみのときにあっても正確に判断する。」

「明晰さは、太陽にもっとも近い傷口。」

 

訳著者の野村氏が、アフォリズム(箴言)としてのシャールの詩を

 

「それは文字通りの断片のエクリチュールとして、全体性という囲いを拒否し、あるいはそれから自由になって、

部分また部分の強度から一種独特の無限へと開かれているのである」

(野村喜和夫「評伝ルネ・シャール」p217)

 

と解説した部分は、すぐれた俳句や短歌作品にも通じることだなと思いました。

 

 

 

青土社から全詩集も出ているようです

 

 

Calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>
出版した本
電子書籍(旧ペンネーム)
サイト内検索
スポンサードリンク
Translate
Selected Entries
Categories
Archives
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode
Powered by
30days Album
無料ブログ作成サービス JUGEM
育毛剤